イダキの音の原理

  イダキはユーカリの木で出来た木管楽器である。ユーカリのジャングルの中でシロアリが食い散らかして空洞にした木を狩り、表面を整えてつくる。

  イダキには音階を変えるための穴は無く、出せる音階は1つだけだが唇を振るわせた時の振動音を空洞内に反響させて音を創り出すため、倍音がたくさん出る。その状態で太鼓を手でたたくように舌でイダキ内の空洞を打ち抜きリズムを刻む楽器である。

  初めて聞く人にはただ音がうねっている様にしか聞こえないかもしれないが、そのうねりこそが音楽の本質的なグルーヴである。よくイダキを聞き込み、聴けるようになってくるとそのリズムとグルーヴに圧倒されることになる。

  現在ディジュリドゥのスタイルは大まかに2つに分かれると思われる。1つはアボリジニの太古から伝えられてきた伝統奏法。もう1つはオーストラリアの白人が創り出したコンテンポラリー奏法である。

  アボリジニの伝統奏法というのはアボリジニの人々によって長い間ずっと頑なに守られてきた(アボリジニの伝統が無視されてきたという時代背景もあった)という事もあり白人によるコンテンポラリー奏法が世界中に広まっていった。

  近年になりワンジョック・マリカ、ジャルー・グルウィウィ、デヴィッド・ブラナシといった卓越した長老格の奏者が外にも奏法を伝えだした事により、徐々にではあるが関心が高まってきている。

  伝統奏法の中にはジャルーやワンジョックに代表されるbunggul(ボンゴル)、ブラナシに代表されるGunborrk(グンボルク)、キンバリー、アーネムランド北西部のWangga(ワンガ)と大まかに3種類に分けられる。

  基本的なディジュリドゥ演奏においての構成はソングマンと同じくフレーズで、歌と掛け合うようにして演奏され、基本リズムを守ればあとは奏者の個性で様々に変化していく。

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