現代社会とアボリジニ

  現代の狩猟採集民であるアボリジニは鉄骨の家に住んでいる。家の中には調理台、電気コンロ、冷蔵が配備され、中にはエアコンやテレビ、電話もある家もあるしケータイを持っている人もいる。一見都市部の生活環境となんら変わりはない。アウトステーション以外の比較的大人数の村では家の外にチケット式の送電気システムが取り付けられており、人々は村の事務局で1枚20ドルのチケットを差込み、差し込んだだけの電力を得ることになっている。

  しかし家の中で生活する事はあまり無く、大概家の外で過ごしている。電気コンロは殆ど使われず焚き火調理される。テレビなどは子供の娯楽程度であまり見られることは無く極たまに他の村で行われた儀式のビデオやキリスト教的な集まりのビデオの上映会が開かれる。

  生活の足には車が使われ、狩りに行く時には4WDのランドクルーザーやモーターボートに槍や散弾銃を積み込み向かう。

  人々は伝統工芸品を売ったり、隔週で支払われる社会保証金や補助金で得たお金で町のスーパーマーケットで買い物し、家を建て替えたりしている。

  そういった現代生活を取り入れながらも狩猟を行い、儀礼をし、様々な伝統文化を守りつつバランスを取りながら生活を送っているが、これは自分達の土地が守られ保障されている人々に限られている。

  都市部などで土地を追われた人々や、都市部に隣接されているようなコミュニティーでは伝統文化は殆ど失われ、復興活動をしようという兆しがあるも、殆どは酒や麻薬によって成果は上がっていないのが現状である。このよう場所では様々な社会的犯罪が耐えることなく、アボリジニの基本的精神までもが失われている場合が殆どであり、白人とアボリジニの溝が更に深まり問題が深刻化しているのも事実である。

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